インタビュー

答えはいつもシンプルだった【後編】~横山直広~

2008.11.17[インタビュー | 特集]

常夏塾というアフィリエイターを養成する塾を主催する一方、情報商材の作成、販売などを一手に引き受ける会社、『Catch the Web』を率いる横山直広氏。ニッチ(隙間市場)である『犬のしつけ』についての商材をあえて取り上げ、大ヒット商材に作りあげた手腕はどう作り上げられ たのか。ネットビジネス界を独自の視点で牽引する横山直広氏がルーツや戦略などを語ってくれた。

答えはいつもシンプルだった【後編】~横山直広~

犬のしつけ裏話

大ヒットとなった『犬のしつけ』は「Catch the Web」の社員の中の若い方が担当していたという。その社員はどんな人だったのだろう?やはり若いが凄腕だったからこそ今回のようなヒットを飛ばすことが出来たのだろうか。


『そんなには若くはないですよ。27歳ですからね。でも初めて情報販売を担当した人でしたが。まぁ、27で1億売っている社員はなかなかいないですよね。』


凄腕どころか初めての担当だったのだという。初めて担当した『犬のしつけ』が大ヒットを飛ばすことが出来たのは何か理由があったのだろうか。特別な販売方法などを取った理由があったのか。という問いに横山氏は特別なことはしてないと答えた。


『やっていることは普通なんです。
商品がいいのならセールスレターや販売ページに普通に書けばいいですよね。いい商品をいいですよと普通に伝えれば、お客さんは欲しいと思うでしょう。いいものだからこそ、普通に紹介してあげればそれでいいと思いますよ。』


横山氏インタビュー風景現在、インフォトップの月間ランキングでも名前を見ることが出来る、『ダーツの投げ方』も初めて商材販売を担当したスタッフなのだという。『犬のしつけ』も『ダーツの投げ方』も特別なことをしたわけではない。自信があるからこそ「普通に」なのだろう。ある意味王道の売り方である。

それでは、初めてやっても成功する人と成功しない人との差というのはあるのだろうか?
何か要因があるものなのだろうか?


『いい商品を作れる方とタイアップして仕事を任せれば全員成功すると思いますよ。
いい商品を作れる人とタイアップかどうかですね。まぁ、そこが一番大変なんですけど(笑)

いい題材で他にその題材を扱うライバルがいないのなら、その題材の世界でのトップじゃなくてもいいのですが、ライバルがいるのならトップをつれて来た方がいいですね。あとはちゃんと販売等のやり方を教えれば大丈夫だと思います。まぁ、社員達からは、そんな方法なんて教えてもらってないなんて言われるかもしれませんけど(笑)』


販売方法は特別なことをしなくてもいい、大事なのはその商材が本当にいいものかどうか。これはインターネットビジネスの世界だけの話ではないだろう。世に出す方法を凝ることは悪いことではない。しかし、本当に大事なのは世に出そうとしているものがいいものなのかどうか、結局そこがおろそかになっていると世に出す方法を凝ったとしても意味のない頑張りとなってしまうのだろう。


アイディアを出す方法

情報商材の世界に『犬のしつけ』というニッチ(隙間市場)を持ち込んだことで、革命を起こしたと言われている横山氏。その『犬のしつけ』はどう生まれたのだろうか?横山氏はどうアイディアを出すのだろう。

横山氏インタビュー風景『僕はネタを考る時は本屋に行くことが多いですね。情報商材のジャンルやネタを探しに行って、その後インターネットを利用して調べてみるという感じですかね。犬のしつけを思いついた時もそうでした。

そのときは漠然と日本一の人とタイアップしたいと考えていたのですが、よく分からなかったので帰ってからネットで検索してみたのです。すると、テレビチャンピオンというキーワードが出てきて、調べてたらしつけのチャンピオンがいると。

じゃあこれ作ろうかという流れでしたね(笑)』


適当なのではない。冗談のように語る横山氏だが、横山氏なりに「いける」と思ったからこそ即決したのだろう。その証拠にこうも語っている。


『まぁ、ブランディングもノウハウもあるし、市場も面白いし、見つけたときにいけると思っていたので。』


この後横山氏は『犬のしつけ』の監修をすることになる森田誠氏をネットで検索、連絡先を見つけるとすぐに会ってお話をさせていただきたい旨の電話をかけたのだという。緊張や躊躇などはなかったのだろうか?


『そりゃあ、普通の時は緊張しますよ、でもこういう時はしないですね。別に失うものはないじゃないですか。断られてもそうですかで終わりなので。これに限ってはあんまり緊張してもしょうがないかなと(笑)

まぁ、隣にいた社員はビビッていましたけど(笑)「リサーチしてないけどいいんですか」って(笑)』



簡単に語るが、実際は相当勇気のいること。だが、ウジウジと悩むくらいなら行動してみる。それが新たな扉を開くのだ。横山氏はこうも語る。


『今まで色々な人にお会いさせていただいていますけど、お会いしてちゃんと「インターネットで考え方を紹介させてください」という自分の想いを伝えればほとんどの方はいいよって言ってくれますね。』


確固たる自信から生まれた熱さで自分の想いを伝える。自分が本気だからこそ相手も本気で聞き、本気で考えてくれるのだろう。「いける」と踏んだからこそ大胆に行動した、その結果未曾有の大ヒット商材『犬のしつけ』が生まれたのだ。


常夏塾について

それでは、上は80歳から下は大学生まで幅広い層が受講するアフィリエイトを専門に教える塾、常夏塾について聞いてみたい。常夏塾を受講している人の9割が継続を希望するというのはどうしてなのか?秘密を聞いてみた。


『うちはもともと稼いだ額の半分くださいってモデルの塾なんですよ。だから稼がせなければ意味がないので。今は基本受講料ということでソフト代やサーバー代をいただいてますけど、結局それ以上稼げるようにはしてますから。』


常夏塾を始めようと思ったのはなぜなのだろうか。


『アフィリエイトで稼ぎたいという人を稼がせるようにするためのちゃんとしたところがあまりないと思ったからですね。うちは0から出来る限り分かりやすく、誰がやっても結果が出るように、というのを考えての塾なんです。』


ないなら自分が作ればいい。素晴らしいくらいにシンプル。
だが、そうシンプルに考えているからこそ、中心がぶれないのだ。
次に聞いた話でそれを実感した。会社のトップであり、ヒットメーカーである横山氏に常夏塾を指揮する余裕はあるのだろうか。失礼を承知で忙しすぎておろそかになっていないかを聞いてみたときである。


横山氏インタビュー風景『塾は管理自体は、ほぼスタッフにまかせているんです。スタッフは、もともとアフィリで稼いでる人達なので、もともとあったノウハウにそのスタッフ達のノウハウをどんどん入れてよりよくしていっているという感じですかね。うちの社員の中には月に100万稼いでて、なんで社員やってるのかって人がいますから(笑)そういう人のノウハウを出しているので月に20万から30万くらいは稼げるとは思いますよ。』


自分が中心ではなくとも結果的にいい方向に向くのならそれが一番。自分のやっていたものよりもいいと思えば、即座に切り替え、自分は身を引く。そして、それを部下にまかせるということは、簡単なようでかなり難しいことだ。


『複雑に考えるとこがあまりないと思っているんですよね、全体的に。本質さえしっかりやれば後はどうにかなるっていうね。枝葉とかは別にそんなにいいじゃないというのはあります。』


本当に大事なところを守るためだから自身のプライドさえも枝葉のようなもの。本当に大事なところは、常夏塾でいうなら一番稼げる方法を提供するということだったのだろう。


『結局何でもそうですが、テクニックでどうにかしようとしたところで一瞬じゃないですか。それよりしっかりつながるものを作っていくことが大事だと思うんです。情報商材ならいいものを出せばみんな紹介してくれるし、アフィリの塾ならサポートとかをよくして、いいノウハウを提供すればついてきてくれるというのはありますね。』



本質を理解する。ちゃんとそれが分かっているから、そこだけはズレないように出来るのだ。そして、それが結局は思い描いていた成功につながるのだ。


意識する人物

横山氏が尊敬する人はどんな人だろうか。新しい価値観を構築していく横山氏の尊敬する人、興味深く思い聞いてみると即座にこう答えてくれた。


横山氏インタビュー風景菅野一勢さんですかね。対談させていただいたとき、やはりすごいなと思いましたから。あの人もやっぱりシンプルなところがあって、そして何よりも情報販売の世界で常に最前線にいるところはすごいなと思います。

他には石田健さんや、市原高一さん、熊野泰憲さんですかね。やはりそれぞれのジャンルでトップを走っている人はみんなすごいと思いますし、尊敬しています。』


他を認めることが出来る人間はえてして他からも認められるものである。
それでは逆に自身の中でライバルと目する人物はいるのだろうか。


『ライバルは情報販売ならホットラインさんかな。
菅野さんに負けたくないと思っているわけじゃないですよ(笑)逆に、あそこがあれだけやっているのなら、うちもやらなくちゃと思えるんです。ですから、抜こうとか、一番を取りたいとかの問題ではないですね。社員数も環境も違いますしね。』



だがチラリとこんな発言も。


『ホットラインさんが出したジャンルでうちも出そうと思ってたものを先に出されたりしたことはありますよ。悔しかったです。でもやっぱり売れるんだな、自分の目が間違ってなかったとも思いましたね(笑)』


盲目的にライバル視することよりも、尊敬しているからライバルのように思える。そして、だからこそ悔しくなる。それが逆に自分の指針が間違っていないかの確認やモチベーションの維持に繋がるのだろう。


読者へのアドバイス

DI-VE読者に対して何かアドバイスのようなものをと恐る恐る切り出してみると快く答えてくれた。


横山氏インタビュー風景『そうですね今は本当にニッチな情報商材を作ればアフィリエイターさんが売ってくれるんで、そういうマニアックなやつを出したら面白いと思います。というより、やったほうがいいですよ。

やってみたら結構普通にアポが取れるし、話を聞いてくれる人がいっぱいいるので情報販売をやらしてもらったらいいんじゃないでしょうか。

リスクはないですしね。犬が売れるのなら、あれもこれもと考えてもらえば案外売れると思います。ニッチは売れます!!というか早くタイアップしないと、ホットラインに先にやられますよ(笑)うちかもしれないですけど(笑)』



最後は冗談っぽく笑っていたが、これから情報商材を作ってみようと考えている人にはかなり有益なお話ではないだろうか。少しでも参考にしてもらえれば幸いである。


仕事の取り組み方

海が好きで、サーフィンが趣味だという横山氏。Catch the Webという社名も波をつかむという意味からきているのだという。相当海が好きなのだろうとその話を振ると、『いえ、そういうアピールです(笑)』と照れて答えをはぐらかしていた。しかし、湘南に住んでいることや、この話をしだしたとき笑顔から海が好きなことが伝わってきた。現在はサーフィンをやられているのだろうか。


横山氏インタビュー風景『やってますよ。でも、今年は台風が2回くらいだったので2回しか入れてないですけどね。』


ヒットメーカーであり、会社の社長でもあるため時間がないのではないかと勝手に考えていたが、時間はあるのだという。土日は完全に休みにしているのだそうだ。なぜなのか理由を聞いてみた。


『メリハリを付けるためですかね。だらだらしちゃいますから。ですから、パソコン開いてメールを返すことさえしませんね。本を読むとか勉強することはありますけどね。』


やるときには集中してやり、休むときは集中して休む。24時間365日やり続けることが決していいものを生み出すために必要なのではない。休むからこそ余裕が生まれ、新しいことも考えられるのだろう。


今後の展望

現在横山氏が関わっているインターネットビジネスは、アフィリエイト塾、情報販売・作成、サイトの企画・運営など、多岐に渡る。今後はどういう展開を考えているのだろうか。


『個人的には、まぁ情報販売は本当にマニアックなところを出していきたいですね。そして、常夏塾はアフィリエイトを始めるならここって言われるようにしたいですね。ネットでは色々出来ますから勉強しながらやっていきたいと思ってます。』


意外に普通の回答に驚き、もう少し突っ込んで聞いてみると、衝撃的な発言が飛び出した。


『実は32歳で今の会社の経営をやめようと思っているんです。
まぁ、確実に決めているわけではなく、2年、3年後、32歳くらいかなと思う程度ですけど。』



常夏塾は順調で、情報販売も順調と会社としても横山氏個人としても絶好調ともいえるこの時期になぜやめようと考えたのか。その真意を聞いてみる。


『もともと僕が会社をやめたのは、独立しても大丈夫なくらい成功していたというのもあったんですが、旅行にいけないことが原因というのもあったんですよ。

横山氏インタビュー風景大学を出て会社にいたとき、旅行が大好きなので旅行会社のチラシを見ていたんです。そうしたら上司にこんなの行けるなんて会社辞めなきゃ無利だよねって言われてやめようと決心しましたからね(笑)

ですから、僕がもともとネットで魅力を感じていたのが場所・時間が自由ということだったんです。でも、今は会社組織なのでそこがまだいかせてないんですよね。本当はいつでも社員が好きなときに1週間とか休めるような会社にしたいんです。全員が好きに休めるような、旅行に行くなら1週間行っていいよというようなことが、出来上がる会社にしたいと思っていまして。それが出来るのがインターネットだと思いますしね。』



実は横山氏は大学時代などの長期休みには、アジア中心に世界中を1ヶ月ほどまわるほどの旅行好きだったそうだ。あるとき、欧米の人に『日本人は働きすぎ、1ヶ月とかなんで休まないの』と言われたことから、こういう会社を作ることを考えたのだという。


横山氏インタビュー風景『そんな組織が出来上がるのが、32歳頃かなと。
そうすれば、僕はやめてもいいかなと思っているんです。それまでには会社が組織として成り立つと思ってるんで、それまではしっかり働いて出来る限りのことをやりたいと思っています。』



夢の会社を作った後、横山氏は何かやりたいことがあるのだろうか。その質問に対してイタズラっぽく笑いながら横山氏はこう答えた。


『それからは決めてないですね。32になったらまた決めるかな
昔は羊飼いでも生きていけるなって思ってた頃もありましたしそういうのでもいいかなってとこもあるんで(笑)結局は今の会社をやってるかもしれませんけど(笑)』



個人的には羊飼いになった横山氏を見てみたいが、横山氏ならまた他の人が考えもつかないようなことを考え付きやり始めるのだろう。





これがやりたいからこれというように、横山氏の発言や行動はすべて筋が通っている。
目標を定めるとそこへ一直線に進むことが出来る行動力と精神力がなせる業なのだろう。

シンプルにやりたいことをやり、最高のものを作る。
今回の横山氏のインタビューを通して感じたことは何もかもがシンプルだということ。何か珍しいことをやっているのではなく、王道を通りながらも、そこに縛られない強さも持っているということだった。

(文責・浅野健二)


横山直広氏インタビュー
答えはいつもシンプルだった【前編】はこちら



プロフィール

横山直広横山 直広 (ヨコヤマ ナオヒロ)

大学院では情報工学を専攻。2005年4月、ITコンサルティング会社に入社するが、インターネットを利用した副業での月収が本業の月収の3倍以上になったため1年足らずで退社。

2006年4月にCatch the Webを設立。

アフィリエイターを育成、情報商材の作成、販売や、様々なサイトの企画・運営を行うなど、手がけるインターネット関連のビジネスは多岐に渡る。

2008年10月に著書『カネなし、コネなし、経験なしの素人でも成功できる電子出版』を出版。

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